


輸入窓・ドアを在来工法で使うためのポイント
輸入窓・ドアは、日本の9割以上の木造家屋に使われている木造軸組工法(在来工法)においても、比較的簡単に使えます。発注と取付けに関する正しい知識があれば、ツーバイフォー住宅を前提に生産されたこれらの製品でも、問題はありません。
輸入窓・ドアは、設計者や施工者にデザインの選択肢を広げてくれます。国産窓とは違った味わいも演出してくれます。しかしながら、その発注方法や取付けについて、国産のものと多少異なった工夫をこらす必要があります。今回は、主要なポイントをみなさまの参考としてまとめてみました。 発注の段階
1.表示サイズの見方
窓の幅と高さに関する表示は、下記のとおりに統一されています。最初の2桁は幅のサイズ 最後の2桁は高さのサイズ 1234 注意 日本の窓メーカーによっては、高さ、幅の順番になっているところもあります。 参考 1フィート=12インチ
2.2つの表示方式(幅・高さ)
窓のサイズ表示には2通りの方式があります。メーカーによって採用している表示方式が違います。注意してください。
3.壁厚の寸法出しと窓の厚さ
米国の壁の厚さ、つまり2×4(呼称寸法)もしくは2×6(呼称寸法)の間柱に合わせて作られています。実際の寸法は、何年にもわたる製材節約の結果、縮小した寸法に統一されています。(参照:データ1)米国では、壁の厚さは次の方法で算出しています。 データ1 間柱の基準サイズ(実寸法) 呼称寸法 実寸法 2×4 1.5インチ×3.5インチ (38ミリ) (89ミリ) 2×6 1.5インチ×5.5インチ (38ミリ) (140ミリ) データ2 窓の厚さの標準寸法 4―9/16インチ(116ミリ) 6―9/16インチ(167ミリ) 〈壁厚の寸法出し〉
窓の厚さの標準寸法 標準的な窓は、壁厚より1/16インチ(1.6ミリ)厚く作られています。これは、縦枠が壁よりわずかながらも出ていたほうが、額縁を回す時に取付けが簡単になるからです。間柱材が曲がって壁が少々ゆがんでいても、この余分なはみ出しがそのギャップを解消してくれます。 この窓の縦枠の厚さは、通常のツーバイフォー住宅であればどこででも適応できます。もちろん、違った厚みの窓もあり、それらはスティールハウスの間柱やコンクリート住宅、コンクリートブロック住宅で使われたりします。特別なサイズの対応も可能ですが、その際は特注単価が加算されます。
注意事項
1.水切り――木製窓、樹脂製窓
●木製窓木製窓においては特別仕様の金属製もしくは樹脂製の上部水切りが必要になります。メーカーによっては、これらの水切りを窓本体と一緒に提供しているところもあります。もしそうでなければ、板金工場で作ってもらうと良いでしょう。 ●樹脂製窓 樹脂製は、特に上部水切りは要りません。その理由は、上部枠と縦枠が熔接されており、水が入らないからです。 2.ラフ開口部と窓幅の決め方
ラフ開口の寸法出しは、標準的なサイズがないため、少々難しいかもしれません。あるメーカーは「2020」と窓を呼ぶとき、22インチ×22インチ(559ミリ×559ミリ)を指します。商品カタログで開口部の寸法を表示している会社もあります。 通常、開口部の寸法は、窓枠より1/2インチ(12ミリ)大きくします。ほとんどのメーカーは、表記上の寸法より1/2インチ(12ミリ)小さく作っています。 例えば、「2020」の窓(24インチ×24インチ、610ミリ×610ミリ)なら、実際には23−1/2インチ×23−1/2インチ(597ミリ×597ミリ)で作られており、この窓の開口部は2020、もしくは表記されている寸法になります。これにより、両側には1/4インチ(6ミリ)、上部には1/2インチ(12ミリ)の余裕が生まれ、窓位置の調整が可能になります。 すべての窓がこのようなわけではないので、窓メーカーに尋ねるのが一番でしょう。 【注意】 通常、表記寸法より1/2インチ(12ミリ)小さく窓を作っています。 データ3 〈通常の場合――2020の例〉 表記寸法 実寸法 2020 24インチ× 24インチ (610ミリ) (610ミリ) 開口部と窓との空間 ・左右両側 0.25インチ(6ミリ) ・上部 0.5インチ(12ミリ) 3.「延長枠」の活用
窓枠が石膏ボードまで届かない場合、どうするのか輸入窓は2×4、2×6の構造壁に合わせて作っています。従って、輸入窓の縦枠や窓枠の幅を、日本の在来工法にぴったりくるように調整する方法を確立する必要があります。ツーバイフォー工法と軸組工法では、壁の厚さが違います。(参照:データ3) この差16ミリが、そのまま輸入窓の「枠幅の不足」となります。窓枠と石膏ボードの見切りとの隙間を覆う「拡張枠」を作る必要が出てきます。 米国でも、標準寸法と違うサイズの壁を作る時、延長枠を作ります。通常、この延長枠は注文すればどんな寸法にも窓メーカーが作ってくれます。拡張枠は窓に取付けてない、外れた状態で現場まで送られます。米国では、窓がはめ込まれ、ドライウォール作業が終了してから、仕上げ大工がこの延長枠と額縁を取付けています。 また額縁を取付けるにあたって、この延長枠を現場で、仕上げ加工製材から作ることも可能です。ただし、この製材は四面がすべてきれいになっていなければいけません。このタイプの製材を米国では「S4S」と呼んでいます。 この材料は、正確な幅にテーブルソーで縦引かれ、窓枠に釘打ちします。この方法ですと、延長枠が必要な幅に正確に作ることができるのです。 樹脂製窓は2×4の壁厚より小さく作ってあります。ある種の材料を、窓枠の空きスペースに継ぎ足す必要があります。多くの場合、米国では石膏ボードで覆います。これは、日本の在来工法住宅でも、延長枠の代わりに使える簡単かつ安上がりな方法です。
壁厚の比較 ・軸組工法 下地合板+間柱+石膏ボード=129ミリ (12ミリ) (105ミリ) (12ミリ) ・ツーバイフォー工法 下地合板+間柱+石膏ボード=113ミリ (12ミリ) (89ミリ) (12ミリ) 129ミリー113ミリ=16ミリ 軸組工法の壁が16ミリ厚い 確認事項
1.取付け方の違い――ツーバイフォー工法と軸組工法
北米のツーバイフォー工法(枠組壁工法)では16インチもしくは24インチピッチの間柱を使っています。この間隔は、一般の住宅建設の設計基準に合致するよう開発されました。米国の多くの窓・ドアは、16インチ(406ミリ)、24インチ(610ミリ)の間柱の間隔より大きく作ってあり、荷重のかかるまぐさを窓・ドアの上に設けることを前提にしています。米国製の窓・ドアは、さまざまなサイズに対応できるようになっており、必ずしも16インチモデュール、24インチモデュールに縛られてはいません。建築士によっては、ある種の持ち味を出すために、窓も特定のサイズで、取付け位置にも工夫を凝らしています。米国の建築基準法によれば、寝室用窓に大きさの規制があり、家屋全体についても、断熱性能に関する規制があります。これらの規制以外には特になく、後は美観を重視した作りにこだわっています。 米国の住宅では、荷重はまぐさにかかるようにしてあります。米国製窓・ドアを在来工法で使う場合、柱もしくは間柱の位置をある程度修正する必要があるでしょう。柱は、構造上問題がなければ、次のモデュールの位置まで拡げたり、間柱をドアや窓の近くにあてがうこともできます。窓・ドアの位置や仕上げ床からの窓の高さは、建築士が決めます。 米国製窓・ドアを在来工法に使うにあたり、窓のサイズを決める一番の近道は、窓の位置を決め、ラフ開口の最大の寸法を算出することです。メーカーのカタログを見ながら、ラフ開口に入る最大の窓を探します。柱の間に間柱を打ちます。柱のモデュールより大きな窓は、次のモデュールに調整する必要があります。 在来工法が窓やドアに適切な寸法になっているか、柱を除去する必要がないかを確かめることは設計士、施工者の責任です。 日本の在来工法では、窓やドア付近の間柱は二重柱になっていません。米国では、上部の荷重を逃すために二重にしています。さらにこの二重柱が、額縁の釘止めが広い面積で行なえるようにします。従来の額縁は6インチ(152ミリ)幅までです。二重柱は額縁を石膏ボードと面合わせするのに便利です。 基本的に、日本製の窓を取付けるのと同様、米国製窓も柱にぴったりとはいきませんが、それと同じ方法が使えます。唯一の違いはラフ開口部の寸法です。窓やドアの両脇には柱や間柱を、またそれらの頭には間柱を置かねばなりません。 間柱は窓の下にも取付けます。これら窓の上部と下部に取付けられる間柱は、設計士や施工者によって正確に計算されなければなりません。 標準サイズとは違った特別な寸法の窓を発注することは可能ですが、特注料金が課せられます。 2.額縁の手配――3つの方法
米国製の窓・ドアは、在来工法の家でも、額縁仕上げが簡単にできます。もともと2×4の幅に合わせて生産されているため、日本の在来工法と寸法が違うので、石膏ボードと揃えるための拡張枠を取付ける必要があります。これには3つの方法があります。1)窓・ドアメーカーから正確な寸法を注文させ、拡張枠を製材会社から現場に届けさせる方法。これらのコストは請求されます。 2)注文窓・ドアの拡張枠はたいへんコストが高く、現場で作るほうが安くできます。現場施工の拡張枠のほうが、額縁処理に合わせて加工でき、縦枠やドア枠なども正確な寸法で作ることができます。もちろんこれにより、現場の大工さんは木製窓にステインを塗り、窓に合わせた製材の種類を選ぶことも可能になります。もしその製材が拡張枠に合わない場合は窓メーカーから取り寄せなければなりません。 3)もし、大工さんがステインのコストをかけずに、木製の額縁を仕上げたいのであれば、日本の仕上げ済みMDFの額縁がもっとも安くできるでしょう。 労賃はそれぞれ違いますから、どの方法を採用するか、慎重に考えなければなりません。 内装の額縁は、窓枠やドア枠の拡張枠としての役割を持っています。日本の額縁は使いやすく、拡張枠が石膏ボードの見切りを隠しています。予算の次第で内装の額縁は生きて来ます。 額縁の付け方
1.延長枠の取付け
米国の窓・ドアは家の内部に額縁をつけることができます。これは日本式でも米国式の額縁どちらでも取付け可能です。前述したとおり、窓やドアの延長枠が唯一、考慮される点です。延長枠は、枠の室内の面と内部壁の見切りの隙間をカバーするものです。いくつか違った素材を使いますが、施工者が仕上げをどのようにしたいかによって決まります。 延長枠は縦枠の端より3ミリ段さをつけて取付けます。これはペンキ塗装を簡単にしたり、材の違いをささやかに引き立たせるためです。この拡張枠の材料は、課題のひとつになりますが、日本の材料のが入手しやすく、加工も簡単ではないでしょうか。ただ、米国の素材は洋風仕上げをお考えの場合にぴったりくるでしょう。 2.釘の打ち方
額縁材は、米国では表面に釘打ちします。この釘は、頭を額縁材の表面より深く打ち込み、後でペンキで隠すようにします。もし額縁材が完成品だったら、補色材を使います。日本では隠し釘を使いますが、米国の住宅建設ではまず使いません。ほとんどすべての額縁に隠し釘が使われており、ドアも隠し釘で取付けられたりします。 隠し釘は、日本の施工者にとって欠かすことのできない大切な道具なのです。 3.日本・米国の2つの方法
●日本の方法米国製の窓・ドアを使った場合、延長枠が要らないケースがあります。日本のドアや窓に使われている内部造作材がその例です。 石膏ボードより12ミリ出ている実つぎ材があります。内装の石膏ボードがこの溝に食い込み、壁紙が額縁の端まで続くやり方です。この材料は正しい寸法に切ったり、米国製ドア・窓の枠に延長枠として付け足すたりすることも簡単にできます。仕上げ加工していない造作材なら木製窓に使え、仕上げ材なら樹脂製窓に使えます。 日本の額縁利用で次に共通していることは、溝加工の枠板を使い、額縁では実加工のものを使い、枠板にはめ込ませる方法です。溝加工の枠板なら、延長枠の正確な寸法に切れるし、石膏ボードの内装仕上げ面になります。額縁は溝加工の延長枠にはめ込まれます。 ●米国の方法 西洋風のドア・窓の額縁材は、構造と石膏ボードの隙間を隠してもくれます。日本で人気のある額縁無しの平らな枠とは異なります。 米国でよく使われる2つの方法として、ひとつは、絵画の額縁のような簡単な枠板(Picture frame)と、もうひとつ窓の膳板やエプロンがあります。これらの額縁の種類はじつに豊富です。 最近の傾向としては、アンティークなスタイルと素材が人気となっています。この傾向は重厚な雰囲気で、飾りや模様が細かく、高価なことです。しかし、低価格帯の住宅やアパートでは額縁をまったく使われず、樹脂製窓の枠に石膏ボードを簡単に戻しています。 「絵画の額縁」スタイルは作るのが簡単です。内壁材と面一にするため、窓枠に延長材が必要です。額縁は窓の周囲に合わせて、45度に切って作ります(留め継ぎ)。この額縁と延長枠の素材は樹脂製窓だったら仕上げ品が合っていて、ペンキ塗装かオイル塗装します。額縁はいつも枠や拡張枠より3ミリほど段さをつけて打ちます。 額縁の取付け方
1.窓台を切ります
20ミリ〜25ミリ厚、窓枠の内法プラス額縁の幅(両側)プラス10〜14ミリの長さの板を切ります。この板を開口部に乗せ、両側の石膏ボードの見切りに合わせます。幅は額縁プラス6〜10ミリとします。幅は柱の寸法や窓の厚さ、外壁下地や内装石膏ボードの厚さに関係してきます。2.窓台を取付けます
窓の下枠もしくはラフ開口の窓台に釘打ちします。この時、窓台が下枠より4〜6ミリ下げてあると、仕上げ処理がしやすくなります。3.縦枠と上枠の延長枠を切ります
20ミリ厚で、窓縦枠と上枠と同じ長さにそれぞれ計3本に切ります。幅は下枠から内装石膏ボードの面までの距離と同じにしてください。4.縦枠と上枠の延長枠を取付けます
この延長枠を縦枠と上枠もしくはラフ開口の枠材に釘打ちします。下枠の端より4〜6ミリ、下げて打ってください。5.額縁を切ります
額縁を窓枠と内装石膏ボードとをカバーするように切ります。窓台の上に乗せるようにして立てます。額縁の頭は45度に切って留め継ぎ加工します。縦枠の拡張枠より4〜6ミリ段差をつけて取付けます。6.エプロンを切ります
額縁材を左右額縁の両端までの長さに切ります。これを窓台の下に直接、釘打ちします。エプロンの端はただ切り落とすのではなく、45度の留め継ぎ加工をしてください。そうすると、エプロンで使った材料の細部(ディテール)が内装石膏ボードに活かされ、見映えが良くなります。日本の実継ぎ加工された窓・ドアの額縁を、輸入窓に使うこともできます。前述したドアの説明のようにすれば良いでしょう。この材料は、窓台・エプロンのついた窓の縦枠や上枠に使え、海外の額縁を使っていた所に日本の額縁製品を使うことができます。ドアについての注意点
1)窓・ドアメーカーから正確な寸法を注文させ、延長枠を製材会社から現場に届けさせる方法。これらのコストは請求されます。 2)注文窓・ドアの延長枠はたいへん高く、現場で作るほうが安くできます。現場施工の拡張枠のほうが、額縁処理に合わせて加工でき、縦枠やドア枠なども正確な寸法で作ることができます。もちろんこれにより、現場の大工さんは木製窓にステインを塗り、窓に合わせた製材の種類を選ぶことも可能になります。もしその製材が延長枠に合わない場合は窓メーカーから取り寄せなければなりません。 3)もし、大工さんがステインのコストをかけずに、木製の額縁を仕上げたいのであれば、日本の仕上げ済みMDFの額縁がもっとも安くできるでしょう。 労賃はそれぞれ違いますから、どの方法を採用するか、慎重に考えなければなりません。 内装の額縁は、窓枠やドア枠の延長枠としての役割を持っています。日本の額縁は使いやすく、延長枠が石膏ボードの見切りを隠しています。予算次第で内装の額縁は生きて来ます。 ●まとめ
米国製窓・ドアは、適切な配慮と計画、正確な製品サイズとメーカーへの発注が行なわれるかぎり、日本の在来工法である軸組工法にも使えます。ラフ開口の寸法が決まったら、柱や短縮間柱をドア・窓の周囲を囲むように取付けてください。場合によっては、柱のピッチを調整して、開口部を合わせることもあります。輸入窓・ドアの取付けは、けっして難しいものではありません。国産品と同じく、正確な取付けと水切りの処理がきちんと行なわれると、製品の寿命が長くなり、住んでからのメンテナンスも楽になります。 内装トリムの仕上げも簡単です。拡張枠も、いくつか違った材料を使うことができますし、窓やドアが内装石膏ボードの面と合わさるようになります。トリムには、日本式、欧米式など様々なものがあります。多種多様な額縁が、美しい個性豊かな仕上げを演出してくれます。 〈翻訳(有)インターワークス 佐藤克己〉 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ワシントン州住宅及び日本用建築資材情報。2002/04/10に更新されています。