ビルだーは顧客。市として良い検査サービスを提供することが基本。
工務店(ビルダー)からの検査依頼は毎朝7:00から9:00までに市の検査課に電話で申し込む。早いうちの申込なら、当日の検査も可能。だいたいが翌日、遅くとも数日以内には現場検査をおこなえるように努めている。希望した日程での検査が実現できるため、施工スケジュールへの影響は小さい。
シアトル市内を9担当地区に分割。依頼件数に片寄りが発生した場合は、検査官同士が手を貸し合う柔軟なシステムになっている。検査官は個人住宅のみならず、高層ビルなども担当エリアならカバーすることになっている。例外的に、大きな住宅プロジェクトを個別に任命されるケースもある。
特にシアトル市の場合、コンピュータや航空機、バイオなどの未来型産業が急速に発展し、それに伴う新住民が他州から移ってくるため住宅プロジェクトや事務所ビルの建設が盛んだ。
1ケ所の検査の所要時間は約30分。1年で約2万件の検査をこなす。1日ひとりあたりの平均は11件。検査官はフル回転している。工務店のほうで2〜3棟まとめての検査を依頼してきた場合もそのとうりに対応する。
検査して不適格な施工が確認された場合は、具体的な修正方法を提示する。修正作業ができた段階で再度、確認する。当初に支払われた検査料がカバーするのはここまでで、さらなる修正もしくはやり直しが判断された場合はそれ以降の検査はすべて有料となる。そのコストを誰が負担するのか。ビルダー、建築家、施主とあるだろうが、けっして小さな金額ではないので、やり直しは極めて少ない。
米国にはBOCA(北東部)、SBCC(南東部)、ICBO(西部)の3タイプの建築基準があり、シアトル市の場合は西海岸一帯で一般的なICBOを採用している。この基準は各地域の実情を加味して採用されており、シアトル市でも同様だ。毎年、基準の見直しが実施されている。改正は諮問委員会が各人、各団体から寄せられた内容をもとに検討される。もちろん一般にも開放されているため、施主個人が基準の改正を求めることは可能だ。その理由さえ承認されれば、基準の改正は実現できる。

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